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投資初心者に簿記の資格は必要?勉強すべき理由とは【元証券会社勤務が解説】

・投資初心者に簿記の知識って必要なの?
・簿記を学ぶことで何が分かるようになるの?

こんな疑問にお答えします。

私、にこ(@nikolog1019)は元証券会社勤務。
証券アナリスト、証券外務員1種、日商簿記2級の資格を持っています。
私が新卒から学んできた投資に関することを、ビギナー向けに分かりやすくお伝えします!

この記事を読んで得られること
  • 投資初心者に簿記が必要な理由が分かる
  • 簿記を学ぶことで身に付くスキルが分かる
  • 簿記何級を目標に取得すべきなのかが分かる

投資初心者に簿記の知識・資格は必要

結論から申し上げると、私は必要と考えます。

その理由を解説する前に、

  • 簿記とは何か
  • 簿記を学ぶことで何が分かるようになるのか

ということを先に解説したいと思います!

簿記とは何か

簿記とは、

企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能

簿記 簿記とは | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

です。

日本商工会議所という団体の検定試験が「日商簿記」です。
日商簿記は以下の5つの級に分かれており、各級によって身に付く技能のレベルが異なります。

日商簿記の各級のレベル
1級 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。
2級 経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
3級 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
簿記初級  業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが日常業務をこなすための基礎知識。簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に利活用することができる。
原価計算初級  業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが事業の収益性を把握するための基礎知識。原価計算の基本用語や原価と利益の関係を分析・理解し、業務に利活用することができる。
簿記 | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

一般的には、簿記3級以上が履歴書や職業経歴書に記載し資格保有者として評価されます。
私は大学2年生のときに日商簿記3級を、大学4年生のときに2級を取得しました。

簿記を学ぶことで分かるようになること

簿記については分かったけれど、具体的には何が分かるようになるの?

企業の成績表といえる、「財務諸表」が分かるようになるよ。

財務諸表は、以下の3つで構成されており、財務三表と言われています。

  • 貸借対照表(B/S)→会社の資産状況が分かる
  • 損益計算書(P/L)→会社の売上や利益が分かる
  • キャッシュフロー計算書(C/F)→会社の現金の流れが分かる

簿記を学ぶことで、この三表が読み解けるようになります。

例えば、文房具メーカーのコクヨの連結財務諸表(2020年12月期)はこんな感じです。
(P.48~P.55)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7984/yuho_pdf/S100L2XS/00.pdf

この書類をみて、コクヨという会社の2019年1月~2020年12月までの
業績や資産状況、現金の流れが分かるようになります。

過去から辿っていけば、もちろんどんな風にコクヨが成長/衰退してきたのかも分かります。

なぜ投資に簿記の知識が必要なのか

ようやく本題に入りますが、では投資と簿記がどう結びつくのか?
という点についてお話ししたいと思います。

投資は過去の記事で話したとおり、「最初に出したお金を上回ること」を目的としています。

投資商品には様々な種類がありますが、
最も有名な投資商品の一つに株式投資があります。

投資と言ったら株を思い浮かべる人も多いと思います。
株はシンプルで分かりやすく、高いリターンを狙うことも可能です。

株式投資を例にとって、なぜ簿記の知識が必要なのでしょうか。
それは、未来の数字は過去からしか形成されないからです。

投資は未来の数字を予測して成り立つものですが、
未来を予測するための「根拠」がなければそれは投資ではなく投機です。

株式投資では、インカムゲインとキャピタルゲインという2つの稼ぎ方があるという話は、
過去の記事でお話しました。

インカムゲインを狙うには、
会社が公表している配当金の妥当性・実現可能性を確かめる必要があります。
その実現可能性を確かめるには、過去の配当金の推移や業績の推移を用いることが有効な手段です。

例えば、今まで配当金は10円だったけど、今年は30円になるぞー!と会社が言っても、
その会社に投資をするには根拠が必要です。
本当に30円の配当金を出せるのかどうかを自分で判断するためには、
会社の業績や資産状況を知らないと、どうにもなりません。

また、一般的にキャピタルゲインを狙うには、
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析という2つの手法を用いて未来の株価を予測しますが、
簿記の知識はファンダメンタルズ分析を行う上での基礎中の基礎です。

ネットで調べれば良いんじゃないのー?と思う方もいるかと思いますが、
ネットで調べられる情報は、「断片的な情報が多い」「情報の信頼性を確信する必要がある」ため、
全体像を把握するための勉強法・調査方法としてはあまりおすすめできません。

一番手っ取り早く確からしいのが、日商簿記だと考えます。

これは株式投資を例に考えましたが、
債券投資や不動産投資なども同じ考え方を適用できます。
また、投資信託も投資商品の組み合わせですので同様です。

簿記だけが投資に必要な知識ではない

今まで簿記の必要性を散々訴えてきましたが、
簿記を学べば投資が成功する、ということではありません

経済の知識や最新の動向、歴史、業界環境など、
未来の数字を予測するうえで「根拠」になる武器は他にも色々あります。

簿記はあくまでその武器の一つです。
その武器だけを使って敵を倒すことができるかは分かりませんが、
他の武器もそろえればそろえるほど、敵を倒す可能性は高くなります。

しかし、武器を何も持たずに敵を倒すことは不可能に近いです。

あなたの大切なお金を投資するのですから、
何も勉強せずに根拠のない投資を行うのは怖くないですか?

武器にも色々種類はありますが、
証券会社に勤めていた経験から申し上げると、簿記はその基本であり、
優先度が高いと思っています。

私は証券会社で企業価値評価を行う仕事に携わっていました。
上場企業が会社に投資する(M&A)ことのサポートをしていましたが、
業務の一環で投資する企業の価値を計算します。

どう計算するかはまた別の記事でお伝えしていこうと思いますが、
簿記は企業価値評価をするうえでも基礎の基礎です。

会社は簿記によって経営が成り立っていますので、
投資するうえで簿記を学んで損することはないと思いますよ!

何級の知識が必要か

では簿記何級の知識まで勉強した方が良いかというと、
最低でも3級、2級は欲しいところです。

3級を学べば、財務諸表を読み取るうえで大体のことは把握できるようになるので、
まずは3級の資格を目指すことがおすすめです。

2級は3級を取ってからでないと、正直厳しいと思います。

簿記3級の受験におすすめの教材や勉強方法は、こちらの記事でお伝えしています。

投資初心者に簿記の知識が必要な理由

最後に、これまで説明してきたことをまとめます。

まとめ
  • 投資したいなら簿記は勉強しておくべき
  • 簿記が分かれば過去と現在の会社の経営状態が分かる
  • 過去と現在の会社の経営状態が分かれば、投資の根拠になる
  • 簿記以外の分野の知識も必要だが、まずは簿記を取得することがおすすめ
  • 最低でも簿記3級、できれば2級の取得を目指そう

以上、にこでした。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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