
・NISAとはどんな制度なのかを知りたい
・一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの違い・選び方が知りたい
・NISAの併用ができるかを知りたい
こんな疑問に答えます。
私、にこ(@nikolog1019)は元証券会社勤務。
証券アナリスト、証券外務員1種、日商簿記2級の資格を持っています。
当ブログでは、私が証券会社で学んできた投資に関することを分かりやすくお伝えしています。
- NISAがどんな制度なのか概要が分かる
- 3種類のNISAの違い・選び方が分かる
- NISAの併用ができるかが分かる
目次
NISAとはどんな制度?→税金がかからなくなる制度

NISAとは、「少額投資非課税制度」のことです。
名前のとおり、「非課税」制度です。
通常は、株式や投資信託などの金融商品を購入した場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して、約20%の税金がかかってしまいます。
ところが、証券会社などにNISA専用の「NISA口座」を作り、その口座内で毎年一定金額の範囲内で投資商品を購入すると、購入した金融商品から得られる利益や配当が非課税になります。
つまり、金融商品から得た利益や配当に対して、税金がかからなくなる制度のことです。
ちなみに「NISA」は、イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにしており、そこに日本のNをつけてNISAと呼ばれています。
NISAには3種類ある!
NISAは「税金がかからなくなる=非課税」制度であることが分かりました。
次に、NISAの種類について解説します。
NISAには、以下の3つの種類があります。
- 一般NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
それぞれのNISAによって、
利用できる人の年齢や非課税になる投資枠、投資期間、投資商品が異なります。
そのため、NISAを選ぶときは資産形成の「ゴール」を設定し、目的に照らし合わせながら選ぶようにしましょう!
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
利用できる年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 | 0~19歳 |
非課税になる投資枠 | 毎年120万円 | 毎年40万円 | 毎年80万円 |
投資期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 |
投資枠の合計(②×③) | 600万円 | 800万円 | 400万円 |
投資できる商品 | ・株式投資信託 ・国内・海外上場株式 ・国内・海外ETF、ETN ・国内・海外REIT ・新株予約権付社債(ワラント債) | 金融庁が定める投資信託200本 (公募株式投資信託、国内ETF) | ・株式投資信託 ・国内・海外上場株式 ・国内・海外ETF、ETN ・国内・海外REIT ・新株予約権付社債(ワラント債) |
購入期限 | 2023年 (購入した商品は2027年まで非課税) ※2024年以降改正あり | 2037年 (購入した商品は2056年まで非課税) ※2024年以降改正あり | 2023年 (購入した商品は一定の金額までは20歳になるまで非課税) |
20歳未満の場合はジュニアNISAしか利用できません。
20歳以上の場合は、一般NISAかつみたてNISAか選ぶことができます。
また、法改正によって、2024年以降の一般NISAとつみたてNISAについては制度が変更になり、ジュニアNISAは廃止が決定しました。
変更点は以下の記事にまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
2024年からの新制度NISAは改悪!?一般、つみたて、ジュニアNISAの改正点と注意点を元証券会社勤務が解説
今回は、現行制度をそれぞれ解説していきます。
(ジュニアNISAに関しては廃止による現行制度からの変更点を補足します)
ジュニアNISAの場合

ジュニアNISAは、0~19歳を対象として毎年80万円×5年間=400万円の非課税枠が設けられています。
投資できる商品は、株式投資信託のほか、上場株式やETF、ETN、REITなどです。
購入期限は2023年までです。
ジュニアNISAは廃止が決定されたため、2024年以降の新規購入はできませんが、2024年以降も20歳になるまで非課税のまま投資商品を保有することができます。
(分配金は課税されませんし、売却した利益も非課税です)
注意したい点は、ジュニアNISA口座で保有している投資商品は、
18歳になるまで(高校3年生の年末)か、2024年を迎えるまでは払い出し(現金化)できません。
払い出しする場合は過去の利益をさかのぼって課税されてしまいます。
(ただし、災害等のやむを得ない場合には、非課税での払出しが可能です)
よって、20歳以下の場合や子供がいるご家庭は、
ジュニアNISAの開始が遅れるほど新規購入できる投資枠が減少してしまい、
20歳までの非課税保有もできなくなってしまいますので、開始するなら早めがおすすめです!
一般NISAの場合
一般NISAは、20歳以上を対象として毎年120万円×5年間=600万円の非課税枠が設けられています。
投資できる商品は、株式投資信託のほか上場株式やETF、ETN、REITなどです。
購入期限は2023年までで、購入した商品は2027年まで非課税です。
非課税期間の5年間が終了した場合、保有している投資商品は次の選択肢から選ぶことができます。
例えば、2017年に購入したら2021年末までは非課税なので、2022年になるときの話です。
- 翌年の非課税枠に移す(「ロールオーバー」と呼びます)
- 課税口座に移す
- 売却する
ロールオーバーした場合、翌年の購入枠がロールオーバー分差し引かれます。
例えば、120万円ロールオーバーしたら翌年の購入枠は0円になります。
このときの保有資産は、ロールオーバーをする年の前年年末最終営業日時点の時価です。
つまり、2021年末の最終営業日時点の時価です。
NISAの投資枠は120万円ですが、時価が120万円を超えていてもロールオーバーできますし、
120万円を下回っていたら、120万円-時価分を購入することができます。
(例えば80万円のロールオーバーであれば、2022年は40万円分を購入することができます。)
2 .の課税口座に移した場合は、課税口座にて売却時に課税されます。
非課税期間満了時(2021年末の最終営業日時点の時価)よりも売却時の方が価格が低い(損失が出ている)場合は、
他の口座と損益通算することができるので、損失分の税金を取り戻すことができます。
逆に、売却時の価格が高い場合は通常どおり課税されます。
2.の場合はロールオーバーしないので、2022年は120万円分新規購入することができます。
3.の場合、非課税期間内(2021年末まで)に売却すれば非課税で売却することができます。
また、ロールオーバーしないので2022年は120万円分新規購入することができます。
つみたてNISAの場合

つみたてNISAは、20歳以上を対象として毎年40万円×20年間=800万円の非課税枠が設けられています。
投資できる商品は、金融庁で定められた投資信託200本に限定され、上場株式などは購入できません。
購入期限は2037年までで、購入した商品は2056年まで非課税です。
つみたてNISAでは、一般NISAと異なりロールオーバーすることができません。
(つみたてNISA開始~終了が2018年~2037年の20年間に設定されているため)
そのため毎年40万円の枠を購入することができます。
NISAは併用できる?

では、3種類あるNISAは併用できるのでしょうか。
NISAは併用することはできませんが、変更することはできます。
NISA口座は1人1口座しか作れません。
そのため、20歳以上であれば一般NISAかつみたてNISAから選ばなくてはなりません。
1年単位で一般NISAとつみたてNISAは変更することができます。
その場合、原則として、変更しようとする年の前年の10月から12月の間に、金融機関で変更の手続きを完了する必要があります。
20歳未満の場合は、ジュニアNISA口座になります。
20歳である年の1月1日に自動的にNISA口座が開設され、一般NISAかつみたてNISAかを選ぶことができます。
この際、ジュニアNISAで保有していた商品は一般NISAにしか移せませんので注意が必要です。
(つみたてNISAは商品が異なるため)
一般NISAかつみたてNISAかの選び方

20歳以上ですと、一般NISAかつみたてNISAか選ぶことになりますが、どのように選んだら良いでしょうか。
それぞれの違いを理解し、自分の目的・資産に合った方を選ぶのがベストです。
一般NISAとつみたてNISAの大きな違いは3つです。
- 毎年の投資枠
- 投資期間
- 投資できる商品
まず、一般NISAは毎年の投資枠が120万円、つみたてNISAは40万円です。
つまり、一般NISAの場合は月々10万円、つみたてNISAは月3.3万円が上限です。
そのため、一般NISAは年間の投資枠が大きいので、現時点である程度資産がある人や所得が多い方に向いています。
一方、つみたてNISAは、少額で投資を始めることができますので、現時点で資産がない方や所得があまり多くない方でも始めやすいことが特徴です。
次に、一般NISAは5年間の非課税期間+5年間のロールオーバーで、合計10年間非課税で運用できます。(2014年から始めた場合)
一方、つみたてNISAはロールオーバーなしで20年間非課税になるので、より長期での運用が可能です。
最後に、一般NISAは投資信託の他に国内・海外上場株式やETF,REITなどに投資できますが、つみたてNISAは金融庁で定められた投資信託200本にしか投資することができません。
この違いは、つみたてNISAが、投資初心者がリスク分散をしながら資産形成することを目的としていることから生まれています。
つまり、一般NISAは大きな投資額を好きなように中期で運用すること、
つみたてNISAは投資初心者が少額を長期間積み立てながら運用することが向いています。
この3つの違いを理解して、自分に合った方を選びましょう。
これから資産形成を始めたいという方には、つみたてNISAがオススメです。
まとめ
今回は、NISAについての基本を解説しました。
- NISAは、毎年一定金額の投資が非課税になる制度
- 20歳未満はジュニアNISA(2023年で新規購入は終了)、20歳以上は一般NISAかつみたてNISAから選ぶ
- 一般NISAとつみたてNISAは併用不可だが年単位で変更は可能
- 一般NISAはまとまった資金を幅広い商品に中期で投資できる。つみたてNISAは少額・長期・積立で投資初心者向き
NISAのデメリットや注意点に関しては、下記の記事にまとめています(^^)
一般、つみたて、ジュニアNISA口座のデメリット・注意点は?【初心者向け】
以上、にこでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!